人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ラブドガン/永瀬正敏主演

――銃弾は撃つ人間の感情によってその色を変える。感情がこもってなきゃ地金の色。
悲しい奴が撃った弾は青。憎しみの込められた弾は黒。怯えの黄色。そして赤い銃弾には
――どんな感情が籠っているのだろう?

父の浮気が原因の無理心中で両親を失い、自立への焦燥と虚無感の中で孤独を
抱える女子高生ミユキ。母親の仇撃ちに組織のトップを殺し、追われる身となった
殺し屋カツシ。カツシの育ての親で師であり、実は父の仇でもある老年の殺し屋丸山。
丸山と組まされ、カツシを追う殺し屋見習いの若いチンピラ、種田。4人の登場人物が
織り成す生と死の物語。──もしも殺されるのであれば、どんな銃弾に殺されたい?

台風吹き荒れる中、こそりとみてきました。てへ、いっちゃった。
邦画を見よう企画第一弾。私の大好きな駄目人間チンピラ系を扱ったラブドガンです。
やはり監督が脚本を兼任してると言ってる事が伝わりやすくていいですね、邦画。

永瀬正敏は好きな役者の一人です。てゆうか、私立探偵濱マイク。ハードボイルドの
イメージが強いんだけど、コミカルな演技も面白くて好きなのです。そして、何を考えて
いるのか判らない表情との対比も。
カツシは丸山の過去の思い出の中では、良くふざけて喋る陽気な青年だけど、ミユキと
一緒にいる時の心は、殆ど自分の世界(死んだ海亀と浜辺)に向いていて寡黙です。
そういえば、TVシリーズの前の濱マイク三部作で、濱マイクと知的障害のある青年
(ラスボス)を一人二役で演じてたっけ。少し不気味なところのある、得体の知れない役を
やらすといいなあ、この人。

ヒロイン・ミユキの役の子は良く知らないんだけど、とっても発音が明確で良くとおる声の
美少女でした。かわいい!でも、絶対カツシとらぶらぶとかそんな映画ではなさそうなので
安心して見れました。駄目人間と少女って私かなり好きな取り合わせなんですよー。
決して恋愛には辿りつかない、だけどこれは恋かもしれない?みたいな微妙な関係が
イイんです。適度な距離感でお互いを苗字で「こむろさん」「はやまださん」って呼び合って
るのが微笑ましかった。おずおずとカツシが手を握る(重ねる?)シーンもよかった。

そして、カツシを追うアル中の殺し屋丸山っていうか、岸部一徳!すげーカッキイです。
これは私がとくとく語るより是非見た方がいいっていうか。その姿勢に魅せられ、少しずつ
丸山に敬愛の念を抱いていくヤンキー種田もよかった。なんか、先日お茶会にきて
はにかみながらお茶飲んでた珍走団3人組を思い出しましたよ~。ほんとはいいこかも
しれないんだよね、彼らも。

役者の演技もさることながら、映像も舞台的手法が取られていて、(その場面にいる筈の
ない人が参加して会話しているとか、カメラアングルとか)実験要素のある映画かと
思われます。これはこの監督の次回作楽しみかなー?

だけど、パンフレットの末尾にあった用語解説!的なページはなんか飛躍し過ぎて
ハア?という感じになりましたね。葡萄がデュオニオス的なんちゃらで、鮭の頭は
キリストの寓意なんですーとか、いや、ええとそんなこと言われても困るしって感じで。
誰だ、あんなパンフ作ったやつはー。
by lose33 | 2004-08-30 23:38 | 映画を見たよ

つれづれと一方通行にて生活内容を発車オーライしております。(管理人いなほ もしくはLF 時に局長)

by lose33