人気ブログランキング | 話題のタグを見る

運命のタロット講座2/皆川ゆか著

LP先輩が興味を示してくださったので、引き続き興味を保ち完読まで
繋がるよう、再び講座を開いてみました。
第一部全13冊・第二部全10冊の長丁場なシリーズですが読んどいて
損はないのです。つうか、謎だらけで気になること請け合い。

主人公水元ライコはアニメが好きな女子高生。同じ新聞部の素敵な上級生
「片桐先輩」に憧れつつも、過去の手痛い失恋経験から告白する事ができ
ません。おまけに頭脳明晰スポーツ万能の片桐先輩は、学園のアイドルで、
同じく憧れる女の子達やはてまた親衛隊の存在まである高嶺の花でした。

「そばで見てるだけで、いい」

恋人になることはできずとも、こうして同じ部で先輩の姿を間近に見て、声を
かけてもらうだけで幸せだ・・・。彼女は淡い憧れを秘したまま、親友の唯や
後輩の大河君ら親しい友人達と、変哲のない学園生活を送るのだと、漠然と
思っていました。思っていたのでした、が。

きっかけは、新聞部の調査で入った資料館。学園で所蔵されていたロシア貴族の
コレクションの中にあった古いタロットカードを見つけてしまった時から、彼女の
運命の輪は廻りはじめてしまったのです。
タロットカードに封印されていた、タロットの大精霊《魔法使い》の協力者になって
しまったライコ。外見は超美形・中身は超傲慢な彼の言動に振り回され、わけも
わからず戦いに巻き込まれてしまいます。
大精霊達の戦い──それは、予め定められたある事象を変える行為・・・改変の
攻防戦。どうやら封印のショックで記憶喪失だったものの《魔法使い》は改変を防ぐ側
「ティターンズ」であると言い、ライコにも戦いへの参加を促します。

「何しろ改変の対象は・・・あの男の生死なのだからなァ」
「ナンデ?!Σ(゜□゜)」←世界の誕生に関わる重大な事象だからです。

こうして、ライコは半人前以下の協力者ながらも、《魔法使い》と共に戦い抜く運命を
選び、生きる意味を考え続け、恋を知り、愛を覚え、時には逃げながら、他人の為に
涙を流しながら時間と歴史を精一杯駆け抜けます。全ては、幸せになるために。

第一部では、ライコの未来が明らかになり、第二部では《魔法使い》の過去が
明らかになります。

全て読み終えた今となって、第一作目から読み返すとあまりもの少女漫画っぷりに
驚きますが、とても丁寧に伏線が張られまくっていて、そっちにも驚きました。
誰が1巻目の些細な謎が23冊目の重大な事件に繋がるかと予測するだろうか。
この頃のライコのダチョウっぷりと、大河君のかわいさと、片桐先輩の格好よさと
《魔法使い》の傍若無人っぷりには、先の展開を知っている身として、感慨ぶかいものが
あります。あの時、ああ言っていれば・・・あの時、こうしていれば・・・読み手である私が
予め知ってしまっている彼らの運命。
なるほど、先を知りつつ運命を受け入れるという事は、こういう感覚なんだろうなあと
感情投入しながら楽しみつつ、読み返してました。

まっさらな状態で、次々読めるLP先輩が羨ましいなー。拙い講座ですが、できれば
興味をもって頂いて、是非内容について行って欲しいです。特に第2部からは、少々
ツライ描写や出来事が多くなるし。がんばって、せんぱいー。
by lose33 | 2004-07-29 11:00 | 書物を読むよ

つれづれと一方通行にて生活内容を発車オーライしております。(管理人いなほ もしくはLF 時に局長)

by lose33